日付:9月14日

 今日は昨日に続き、G.O.のTrompette類の整音を進めました。
G.O.は風圧を上げたことも影響してリード管の共鳴管の長さが不足していました。
もともと、このオルガンを製作した時代には(今となっては)間違った整音法が流布しておりました。 私の整音法もリードのカーブによる調整だけでなく、共鳴管を共鳴点より短く切ってゆくことによって音色を制御すると言うものでした。 この時代にも共鳴点を正しく使った整音をしていたオルガン製作者もいたのですが、残念ながらそれを知らないままでいました。

 現在、時間的にも、費用的にも共鳴管を伸ばしていることはできない状態です。 今回のような機会を逸すると 私の存命中にはできそうもない作業 をすでに予定を超える範囲までかなり実行してしまいました。 共鳴管を延長することはまたの機会にまわすこととしました。 しかし、良くなる事が判っていて放っておくのもいやなので、次善の策として、ケント紙で延長してみました。 この方法は、去年宮城学院礼拝堂のオルガンで一部に実施しています。 見た目は決して美しくありませんが、音色的には問題は感じません。 切り過ぎても気楽です。 なによりも切るのが楽で、腱鞘炎になったり 手に豆ができる心配がありません。

 あとになって、灰色のクラフト紙を使えば多少見た目が良かったのに・・ と思った次第です。

 G.O.のTrompette 8'と Clairon4’をケント紙で延長し共鳴点を合わせた結果です。

 このような方法をとることに少なからず抵抗感はあります。 しかし結果を取るならば、短いままにするよりもよほど良いのですから、悪くない方法だと思います。 戦後多く入った ネオバロックのオルガンにこの手法を使えばずっと気楽に改良作業が実施できます。 今回完成した蛇腹吹子の逆向き取りつけ法(8月3日)もオルガン改良の可能性をひとつふやしました。

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