聖光学院中・高等学校 小聖堂
横浜市


Man.I
Gedeckt           8
Rohrflöte         4
Flöte             2
Quinte        1 1/3

Man.II
Regal             8

Pedal
Angehängt an Man.I

Koppel         II/P

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学院での披露演奏会における楽器紹介文

“オルガン”とは紀元前から パイプがある楽器。
「新校舎にオルガンを入れましょうよ」「もう注文したよ」というトーマス学院長との会話が最初であった。注文してあったのはラムネホールに入る電子オルガン。
工藤校長に
「聖堂には本物のオルガンを入れましょう」
        「億とかするんでしょう?」
「いや最低三百万で聖歌の伴奏ができる楽器を作ります」
        「なら考えられる、提案して下さい」  から話は始まった。
規模が小さいから安いのであって、変化・音色の種類が少ない・可能性が少ないということ、でも美しい楽器は作ることができる。
一段鍵盤のオルガンであるが、卒業生としてペダル鍵盤(とそれに付随するもの)は後輩のためにプレゼントにすることにした。後に太っ腹すぎたことに気付く。

提案を持って学院を訪ねると、音楽科の加藤教諭はオルガンも勉強しておられることが判明。オルガンの仕様についても意見を交わすことができた。
「オルガンを勉強したい生徒が居たら教えるつもりですか?」
        「もちろんそのつもりです」
「オルガンに進もうという生徒が現れることも考えると良いですね」
        「東京芸大の楽理科に進んだ生徒もいますから、あり得ますね」
「受験準備には二段鍵盤のオルガンにしなければ、校長に掛けあってみましょう」
「情操教育に力を入れている聖光です、やりましょう」と工藤校長。
若者が私の楽器の影響で人生を選ぶ(間違う とも言う)とすればそれは喜びである。

そしてこの形になった。
小さなオルガンで何の飾りもないが、変化も持っている、可能性も持っている。
第一鍵盤:主鍵盤 基本的な音色の中で変化を作れる。聖歌の伴奏以上に可能性がある。
第二鍵盤:個性的なリード管の音色で第一鍵盤に対比させることができる。
ペダル鍵盤:は常時第一鍵盤の音色を弾く。
        独自の音色は無い。しかし、実用にもなるし、ペダルの練習には十分。
        ペダルの旋律を浮き立たせたい場合には第二鍵盤をペダルに繋ぐことができる。
制約の中で聖堂での目的と、志ある若者の可能性を引き出す目的とを兼ね備えることができたと自負している。
聖堂の響きも助けてくれて良く鳴る楽器にできた。使われる楽器になって欲しい。

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