日付:9月07日

 ほとんどの場合、整音の作業はパイプの歌口部分に操作を加えることによって行います。 パイプの足穴(空気が流入する)の大きさも大切な要素です。 小さなハンマーで足穴をたたいて小さくしたり、円錐形工具で押し広げたりナイフで削って広げたりします。 Positiv(第二鍵盤)のCymbaleでは従来よりも足穴を1/3ほどに小さくしたくなりました。
 ハンマーで作業していたのでは時間がかかりすぎます。 自作の電動工具の登場となりました。

ネオバロック整音では開放した足穴で整音する方法がはやりました。 その後、足穴とKernspalte(風が歌口に吹き出すすきま)のプロポーションも大切な要素であることに気付き、現在では足穴で風を適度に絞るようにしています。 この方が発音が柔和になるとかんじています。

 この工具は、古い洗濯機の脱水機モーターを使って作りました。 1mmの銅板で円錐形のカップを作り、これを回転させてパイプの足の先端を絞ってゆきます。 銅板を突き合わせるのではなく、重ね合わせてロウ付けするところがみそです。 内円錐のこの段差によって絞り効果がでます。 作業のときには石鹸水をつけて潤滑します。 これが無いと摩擦でパイプの材が溶けてきたなくなります。

 ハンマーによる手作業よりも数段速く作業ができます。 きれいに足穴を絞るには少々こつがいります。
手に持っているのは鉛筆ほどの太さのパイプです。 影になって見えませんが足の先端を回転する円錐カップに押し当てています。

 軍手をして作業しているのはパイプに汗をつけないためです。 素手で作業をすると何年かして指紋がくっきりと腐食痕として出てしまいます。 整音した後、パイプを磨く工房もありますが、整音後はできるだけパイプに手を加えたくありません。 作業がしにくくなると言う人もいますが、器用さで問題無く補える範囲のことです。

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