日付:8月30日

 整音作業を途中まで進めて中断していたPedalのBombarde16'の整音を再開しました。 7月19日には思うようにならなかったため、あきらめてすこし時間をおくことにした音栓です。
 その間いろいろ考えていました。 いくつか思いついた方法をとることにして再開した次第です。
ひとつは、まっとうな方法でなくても結果がより良い方向になるのであれば試してみようということ。 風圧を上げた結果倍音が強く出過ぎることになったのが主な現状だったわけです。 共鳴管が銅製であることも悪さをしているようです。 現在ならば絶対に銅は選択しないのですが。 なんとしても良い共鳴状態で基音をある程度はしっかりと鳴らすことに専心しなければなりません。 いわゆる邪道といわれるような方法も検討しました。

 昨日から作業をはじめてCis側低音部6本のパイプをいじり、ようやく今日の夕になんとかこれで決着にしようという線にまで到達できました。
 

 リード受けの中に倍音を吸収するためにフェルトを貼ることはかなり効果がありました。しかし、それだけではまだどうしようもなく硬い音色が残ってしまいました。
 最終的にはリードにもう一枚リードを足し 二枚簧(にまいじた) とすることによって解決しました。 二枚簧を使う手法はオルガン製作者のあいだでもあまり知られていないようですが、音色に悪影響を与えずに倍音を押さえる効果があります。 リードにお重りを載せるという方法もありますが、今回の音栓ではあまり効果がありませんでした。

 この方法は以前フランスの Georg Lhote(oの上には^がつく)氏と一緒に仕事をした折に教わった技法です。
彼は『何をどうしろ』とか指示はほとんどしない人でした。しかし、整音に関しては今まで付き合ったオルガン製作者の中でもっとも多くを吸収できた大先輩です。

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