カメラ・光学器械工作 2



光線漏れ探索用フラッシュ

古いカメラや自作カメラをいじっているとどうしても光線漏れに出くわす。

自作の6x16カメラにどうしても原因が判らない光線漏れがあり、それを探すために作った。

ジャンクのカメラから取出したフラッシュからキセノン管と専用コンデンサーとトリガートランスを取出した。
他に携帯電話充電器からブリッジダイオードと耐圧160Vの電解コンデンサーとモメンタリースイッチをもらう。

発光用のコンデンサーに銅箔テープを貼ってコンデンサー表面がプリント基板に変身、部品を配置する。 AC100Vを倍電圧整流し、トリガー回路を付けた簡単なもの。

キセノン管は300mmほど延長してありテストするカメラの中に入れる。

回路部分は280Vほどに充電されているので実際にはポリエチレンの袋に入れて使用する。

             Aug 2007


純正のピントグラス(ガラス製、画像で測定中のもの)は1/10mmの真鍮板を追加して修正した。  ウィスタ純正のフレンネルレンズ付きのピントグラス(プラスチック製だが)はゆがみが多く(私の保存の仕方が悪かったのか)場所によっては1/2mmもの誤差が出ていた。

ピントグラスの点検

 4x5カメラのピントグラスはフィルムのホルダーに入ったフィルムの位置と正確に一致しなければならない。 撮影の結果合わせた位置よりも手前にピントが合っている状態になるので簡単な測定器を作ってみた。

ダイヤルゲージで1/100mmまで読める。実際には各部のガタなどでそこまでの精度は必要無さそうであるが。

Fidelityのホルダーに入れたカットフィルムの中心を±0.00mm として測定。 他周辺部4点を計った。 フィルム面内ではほぼ1/20mm程度の誤差であった。

広角レンズ用沈みレンズボード

 Superangulon 47mm を使うには袋蛇腹を作っただけでは焦点がまだ合わない。 SuperCambo用に沈みレンズボードを作った。

 Camboに併せる額縁は4mmのベークライト製。 沈み部分は銅板を鑞付けして四角柱にし、鍛造してフランジ部分を叩きだす。 そして角柱の四隅を多少切り取りテーパーに整形の上鑞付け。 フランジ部分を基準にフライスで四角錐の高さを平行に出す。 レンズが付く部分は白樺の共芯合板から製作。 角度を角錐に合わせて正方形に切り大きさを角錐の内にぴったりに合わせた。 Linhoffレンズボードに合わせて円孔を削り出し遮光のための段をつける。この作業は木工旋盤。  Linhoffレンズボードの固定法にはかなり迷ったが上部に燐青銅の板バネを使った。 下部は真鍮挽き出しでひっかかりを作った。

 燐青銅の板バネは銅に半田付け。 他の部分はエポキシ接着剤で接着。 塗装して完了。

  ようやく47mmのレンズを実用にできるようになった。 オルガン内部の撮影などに使いたい。

                              Juni 2007

改造ダークバッグ

 本ページ最下段に記した「立体ダークバッグ」は4x5をするには思いのほか狭い。 特に撮影後自作の現像タンクにフィルムを装填するのには不十分であった。 小さいというよりも布の硬さで自由度が無いのが欠点であるようだ。

 以前から暖めていたアイディア、市販のダークバッグに送風して膨らませればよいのではないか ・ ・

いろいろ試したが、ファンにはPCのCPUファンを使った。ヘアードライヤーも試した。強すぎるとダークバッグがパンパンに膨らんでしまい自由度がなくなってしまう。 これだと膨らむまでに少々時間を要するが、フィルムが布に当たっても問題なく形を変えてくれる。

ファンは60mmx60mm 。光の迷路はコダックの4x5フィルムの箱で作った。 ダークバッグにもう一つ腕を縫製して取り付け、そこから送風。(赤いマジックテープの部分、ゴムを入れる予定)
電源はDC12Vだから車内でもつかえる。 電池8本はちょっと多いが、必要であればそれも使える。
ダークバッグの外袋は膨らんで、一緒に内袋が膨むように両者の間は強力両面接着テープで数箇所繋いだ。 縫製したのではピンホールが出来てしまう。

                            Feb.07


フィルターアダプターとマクロレンズ

「その他の工作・雑学2」に紹介したYASHICA1200改 のフィルターリングを改造してHasselblad用50mmフィルターを使えるようにした。

コピー機を廃棄する時に取っておいたズームレンズの鏡胴を旋盤で削って、YASHICAのフィルターリングとHasselbladのフィルターリングのアダプターにした。 Hasselbladの疵物フィルターからリングを頂戴して使っている。

 画像の右にあるのは焦点1mのマクロレンズ。これをこのアダプターを使ってYASHICA120改に装着して撮影した画像 (3431Kbite)
従来は最短撮影距離950mmほどであったが、f=1000mmのマクロレンズで最短撮影距離600mmほどになる、さらにf=500mm のマクロレンズを追加すると最短撮影距離400mmほどになる。
Hasselblad関係の部品はHasselbladの泥沼に漬かっている長男からの品物。 これらの物たちは、どうやらYashicaの購入価格よりも値が張る模様。

                            Feb.07




焦点観察フード

「その他の工作・雑学2」に掲載した4x5フィルムホルダーを改造したピントグラスだけでは焦点の観察が容易ではない。
かといって、被り布を使うのも大仰である。 折りたたみのピントフードを一旦は作ってみたが(特に屋外では)ピントガラスに反射して結像を観察しにくい。

 そこで左の写真のようなものを作ってみた。元々ピントグラスはフィルムホルダーを改造しているので、ホルダーの引き蓋を改造する事にした。 引き蓋を額縁状に切り抜き、そこに暗幕を縫製して布袋を作った。 中央部がつぶれないように真鍮棒で枠を作り支えている。 引き蓋は弱いので内側にベークライトで補強を入れている。

 ルーペはコピー機を廃棄する時に取っておいたズームレンズから外した凸レンズ。 そのレンズが入っていた鏡胴を旋盤で削って不要部分を落としている。

 使ってみると、「何故今まで作らなかったのだろう」と後悔するほど使いやすい。観察レンズが大きいのでピント面をかなり見渡すことも出来る。 被り布は不要と言っても良さそう。

 製作してから気付いたのであるが、老眼鏡が必要(明視の距離が固定してしまった)な年代になるとピントグラスを見る時には近く用のメガネが必要になる。 この仕掛けを使うとメガネをかけかえなくても、観察レンズを多少移動して見やすい位置を探せばよい。 これは予定外の収穫であった。

 左上の写真は「その他の工作・雑学2」で紹介したYASHICA1200改 に取り付けた状態。

                            Feb.07


旅具入としても全く問題なく使える。

立体ダークバッグ

 フィルムをいじる時に使うダークバッグを作った。
市販のダークバッグはいくつか持っているが軟らかでつぶれてしまい使いにくい。特に夏季は手が汗ばむので困る。

何かの展示会に行った時にもらったカバン。 軟らかではあるが自然にはつぶれない程度の硬さがあるので丁度良い。 手を入れる部分を縫製し、両側の小物入れ部分の内側に取り付けた。
バッグの中に裸電球を入れて外から観察すると光線漏れするところが判る。 ミシン目やファスナーからはかなり漏っていた。
バッグの中にはもう一枚黒布を内張りした。
ファスナー部分はかなり光線漏れするので内側にと外側に覆いを縫製して取りつけた。 外の覆いはマジックテープで止めるようにした。

 完成後4x5フィルムを入れて1時間放置、外から500Wの写真電球で光線を当ててから現像。 結果は全く問題なし。

 試用してみると、4x5フィルムを自作の現像タンクに装着するにはまだ小さい。が、市販の物よりはよほど使いやすい。

その後使っていて、両腕が離れすぎて使いにくいことが判った。次の機会があれば改良。

                              Jan.07


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